歯科東洋医学


歯科領域における東洋医学の役割と展望

Role and Prospects of Oriental Medicine in Dentistry

岡村 興一 1,2,3
KoichiOKAMURA 1,2,3

(1日本歯科東洋医学会前会長、2PTPシステム研究所所長、3オカムラ歯科医院(東京都))

【要 旨】
西洋医学を基盤として成り立っている現在の歯科医療システムに、東洋医学(中医学・伝統医学)を治療技術の断片的あるいは一時的応用にとどまらず、総合的でかつ継続的な治療技術として根付かせるためには、従来の歯科診療とうまく共存できるシステム化が必要である。「歯科東洋医学」は、物質系よりも情報系に位置し、予防Prevention、治療Treatment、増進Promotion(養生 Preservation)といったかなり広い範囲と一体的に関係しているのが特徴である。Cure(治癒・臓器医療)からCare(援助・全人医療)へとシフトしていく歯科医療の質的変化の中で、その果たす役割は大変大きいといえる。

【キーワード】
東洋医学、伝統医学、中医学、歯科東洋医学、全人医療

はじめに

21世紀は千年紀における2回目初頭の世紀となるが、前半の50年は従来の考え方と新しい考え方が今まで以上に激しくぶつかり合う激動の時代となることは必至と思われる。いままで地域的あるいは限られた領域に終始していた“考え方の枠組み(paradigm)”の変換と修正が、今後は世界規模でドラスティックに行われる大変革の時代となることだろう。なぜならば、この世紀の大きな特徴は欧米的世界観から東洋的なそれへと大きく変わる世紀と思われるからである。

「この変化は一過性のものではなく、数百年に一度の大転換(Great Change)が起こっている。」

(ピーター・F・ドラッカー)

「資本専制の価値システムも、いまその引き潮が始まりかけている。無限征服のヨーロッパ的価値は有限調和のアジア的価値にまもなく道を譲らざるをえない。」

(村山節『文明の研究』)


特にここ10年間はその幕開け期間として重要で、今まの価値観と新しい価値観とが鬩ぎあい、崩壊と萌芽、あるいは変化と再生が同時進行する混乱の時代となるであろう。日本は、その潮流における重要な役割を担っているにも関わらず、その自覚が充分醸成されているとはとても思えない。あらゆる分野で“痛み”を伴う“変化”を強いられると思う。一時的な安寧があったとしてもその急激な社会変化にかき消されてしまうかもしれない。しかしその変化の先にあるものは、間違いなく東洋の時代、そして日本の時代であろうかと思われる。東洋医学も当然のことながら、その世界的潮流と深く結びついていくものと思う。

 世界の三大伝統医学と言えば、「中国医学(中国伝統医学)」「アーユルヴェーダ(インド医学)」「ユナニ(アラビア医学)」と言われているが、そのすべてがアジアの医学、すなわち東洋医学であることは注目に値する。東洋医学の歴史は、3000年あるいは4000年とも言われている。その間様々な歴史的変遷を経て、現在もなお大衆の支持を受けその命脈を保っている。そこには気が遠くなるほど多くの人達が関わり、そしてこの世を去っていった。改めてその歴史的価値と意味を考えさせられる。その悠久の歴史から見れば、最近盛んに言われているEBM(根拠に基づいた医療)やIC(Informed Consent)という言葉も、遠く霞んでしまいそうである。

 日本における東洋医学の歴史としては、奈良にある法隆寺の仏像や、東大寺の正倉院に収蔵されているものから遠き天竺(インド)のアーユルヴェーダの要素を見出すことができるが、日本最古の現存医書として有名な丹波康頼の『医心方』(982年)の内容に照らせば、一般的には中国伝統医学(隋唐時代)がその源流と考えるべきであろう。その後、金元医学の日本的簡略化をすすめた後世派(16~19世紀)、中国伝統医学の経験実証的日本化を目指した古方派(17~19世紀)、および西欧の医学との競合の時代(18~19世紀)を経て、明治維新後段階的に東洋医学(漢方)は法的に抹消され、表舞台から日陰の医療へと移ってしまった.しかし、その研究と実践は決して絶えることはなく20世紀後半に新たな復活の時代を迎えることとなったわけである.日本における東洋医学の歴史的変遷には、それを受け入れ、支え、取り込んできた日本独特の文化的背景‐懐(ふところ)の深さ‐が関わっている。私個人としてもそこに強い興味と関心を抱く。このことを視野に入れて東洋医学を評価していかないと、近代化の中にある合理的手法に席捲され、東洋医学の奥にある本質が見えなくなってしまうのではないかと憂慮するわけである。

 世の中には「変えてはならない本質的なもの」と絶えず変えていくべき流動的なもの」とがあるが、この二つをうまく区分けして同時進行させなければ社会は発展しないと言われている。東洋医学も全く同じであろうと思う。


東洋医学と高度先端医療

近年の医学の急速な進歩を象徴するものに、『宇宙医学』『移植・再生医学』、そして『遺伝子(治療)医学』がある。

 アメリカの有人宇宙飛行の「マーキュリー計画」に際し7人の宇宙飛行士が選ばれたのは1959年で、その頃に、宇宙環境の人体にあたえる影響を調べるために「宇宙医学」という分野が誕生した。それは宇宙飛行士の健康管理に役立っている。国際宇宙ステーションの建設はすでに始まっており、人類が宇宙に長期滞在する時代が間もなくやってこようとしている。これは急速に進歩したロケットの技術開発に拠るもので、軍事目的が見え隠れはしているが、有人惑星探査における人間への宇宙環境の影響や、無重力下での培養技術による新薬の開発(良質で大きなタンパク質の結晶が作成可能と言われる)などさまざまな研究において重要な役割を担っている。

 1999年、わが国では臓器移植法にもとづく初の脳死移植が行われた。心臓を止めて手術をするときの、一時的代用として使用する人工心肺装置が開発されたのは1950年代で、その後、人工腎臓、人工小腸、人工膵臓といえるものが次々と開発されてきた。科学技術庁科学技術政策研究所による未来予測によれば、2010年代後半までには完全埋め込み型の人工心臓や人工腎臓をはじめ、さらに完全埋め込み型の人工肺までも実用化されるとみているようだ。最近は動物の臓器を人に移植する「異種移植」の研究も進んでいるようである。免疫反応や内在性ウィルス及びドナー不足の問題などを考えれば、人や他の生物からもらった臓器に置換するという移植よりも、今後は「再生医学」と言われる生体組織工学(Tissue Engineering)としての利用が主流になるかもしれない。死体の組織利用まで視野が広がるとすれば、ヒトという種全体の問題まで目を配らなければならなくなった。充分な社会的コンセンサスが必要である。

 クローン動物も可能にしたバイオテクノロジーは、DNAの分析と組み換え技術の進歩による。生物の遺伝情報物質であるDNAが最初に発見され、それから約10年後の1953年、ワトソンとクリックによって、4種の塩基を中心とした有名な2重螺旋構造が明らかにされた。情報技術(コンピュータ)の進歩と相俟って遺伝子情報の解析は急速に進んでいる。その技術の応用として、遺伝子疾患や生殖技術に関わる「遺伝子治療」が可能となった。1990年に行われたADA欠損症(アデノシンデアミナーゼ酵素の欠損による重症複合免疫不全症)の4歳の少女に対する手術は有名である。しかし遺伝子についてまだ知らないことが多くある以上、ここでは治療を受ける側との十分なインフォームドコンセントか要求される。ゲノム解析がもっと進めば生物学もデノム生物学となり、従来の生物進化の概念が一変しそうである。科学技術の進歩に対する情緒的とも言える批判も数多く聞かれるが、技術そのものの進歩を抑制することは無理であり、無意味ともいえる。ただし最終決定権を持つのは大衆の意思とすれば、この領域の正しい情報を一般の人々に伝える環境整備が不可欠である。無批判な技術の暴走を抑止させるものは人の叡智だからである。

 「宇宙」「移植・再生」「遺伝子(治療)」を対象とする先端医学は、それぞれ“宇宙空間の利用と人類の生活環境”、“人体内部環境の改善と生命の維持”、“地球環境の保全と生物の存続”といった人類と地球環境こ関わるグローバルな問題と密接な関係を有している。その歴史はわずか50年足らずだが、その研究の勢いはとどまることを知らない。人類が初めて遭遇する地球規模の変成的(医療)変化を起こそうとしている。対象領域の高度の細分化・専門化、そして構成部分の組み立てと置換技術により、人類はより良い生活と健康を享受できるようになってきた。しかし一方で、それらの先端(医療)技術が、宇宙、地球、社会、生物、人間全体との関わりのなかで、どう主張していくのか、さらにどのような発展プロセスを踏むのかを充分予測検討しないかぎり、その暴走がさまざまな問題を引き起こすのは必至と思われる。

 東洋医学・(伝統医学)は、現在主流となっている科学の考え方の枠組み(西欧的科学パラダイム)を基盤とした西洋医学ができる数千年前から存在し、かつ大衆にその有効性が評価され、現在まで脈々と引き継がれてきた。地味ではあるが現在もその輝きを失うことはない。その背景は何なのかを考えると、その治療効果はもちろんだか、東洋医学にある統一整体観が自然と人間とのしなやかな関係を形成して、人間が本来もっているバランス感覚を呼び覚ましてきたからだと思われる。技術が進めば進むほど厳格な管理を必要とするタイトな先端医療に対して、“揺らぎ”をもつ東洋医学の宇宙観、生命観、自然観は補完的役割をもつことになり、またその技術と経験も現代人にとって必要不可欠のものなのである。なぜなら「現世人類(Homo sapiens)」が出現してからおよそ20万年が経過したといわれているが、外在環境と外部からの身体干渉の著しい変化に比べれば、本質的生理は今でもほとんど変わっていないからである。つまり、東洋医学は人間の持つ本質的生理に働きかける技術論・方法論であり、その背景にあるのは身体内部環境と身体外部環境(外部身体)との適応平衡(adaptive balance)を基本とする自然有機システム観なのである。「温故知新」の意味する内容はいつの時代でも褪せることはない。

 「宇宙医学」は、人類が宇宙空間で仕事をし、生活をするうえでの生理環境を整えるために必要不可欠のものであろう。広大な宇宙空間に居ながら、宇宙船のなかでは極端に制限された環境に身を置かねばならない。空気、食料、温度、湿度、光線、排泄物の処理等々、地球から比べればまったくもって不経済で非効率的である。狭い空間の生活により宇宙を知る…狭い入り口から部屋に入り、ある制限された環境に身を置くことにより広大な宇宙を観る…という茶道の精神環境を髣髴させる。宇宙から地球を眺めるという今までに無い経験は、宗教的至高体験に似た感動を与えるようである。アポロ計画で月に行ったほとんどの宇宙飛行士は、自己変革を起こし、地球に帰還後、平和運動や宗教的活動をするようになったという報告は大変興味深いものである。天空と地球と人類それぞれの巨視的な位置付けを考えさせ、「天」「人」「地」三才(さんざえ)という東洋的コスモロジーを思い浮かべさせる。

 自分の臓器を他人のものや、人工のものと置換したり、組織再生技術を利用するのが「移植・再生医学」であるが、生体は本来自己治癒能力をもっている。再生医学はこの自己治癒能力の発揮できる足場と環境を作ってやる技術だとすれば、自身の抗病力・治癒能力を十分発揮させる方法論としての東洋医学の考え方に共通してはいないだろうか。

 生物の遺伝情報をコントロールする「遺伝子医学」。様々な生物のゲノム解析が進むことにより、遺伝子から見るとすべての生物は言わば巨大なファミリーを形成しているということが分ってきたようである。“生きとし生けるものみな兄弟”と言えるのだ。これは東洋医学の中の「統一整体論」にある“一体性の認識”に通じる。極微の世界の究明が、生物の存続と地球の歴史という壮大なドラマーパノラマを映像化していく。

 「宇宙医学」「移植・再生医学」「遺伝子(治療)医学」に代表される先端医学は、大宇宙(マクロコズム)、小宇宙(ミクロコズム)、超小宇宙(スーパーミクロコズム)と象徴的に照応する。まさに「天(宇宙)」「人(生命)」「地(自然)」と言える。これらは、物質科学、エネルギー科学、情報科学、心理学、人類学、生物学、さらに哲学、宗教といったさまざまな分野と多面的に接点をもっている。21世紀の医療を見すえた場合、東洋医学がこの潮流とどう関わり、それがどのように包括的な理論統合をしていくのかということも視座に入れておかなければならない。臨床技術論だけこ偏した東洋医学では、医学の中のある特殊な治療領域という評価にとどまってしまうことも考えられる。

 20世紀後半顕著に現れた分析と専門分化という極端な「陽性変化(分化)」は、今後も急加速で進むものと思われる。つまり、還元主義による技術開発は、そのもっている特性により進行をストップさせることが無理なのである。しかし、21世紀は、その変化に対しての“ゆり戻し現象”として、統合や調和に象徴される「陰性変化(融合)」がもっと具体化していく時代になると私は考えている。それは、単なる復古主義や精神主義によるものではなく、現実性をもったニューテクノロジーとしてのそれであると思う。そこに『東洋』という二文字が深く関わってくるだろうと確信している。

 私は東洋医学の持っている本質的なものは、その表面的治療技術にとどまるものではなく、古典の理解に基づいた医療の実践を通じて得られる宇宙観、自然観、生命観のなかにこそあると常々思っている。東洋医学の科学化がその発展のための重要課題のように言われて久しいが、東洋医学の科学化というのは、東洋医学を従来の西洋医学理論に取り込み、再現性や予測性をもって説明することだけでは断じてないと思う。取り組み方により、むしろ東洋医学の経験と知識のなかに、従来の科学を修正する、まったく新しい科学の考え方を生み出すヒントがあるかもしれないのである。これも、いわば科学化なのである。日常の臨床現場においても、考え方の枠組みの違いを十分認識したうえで、東洋と西洋の二重構造に対する妥協案的方向性を示す安易なものでなく、発展的に西洋の分析的合理性と東洋の経験的感性を結合共生しうる健康管理システム・医療システムを考究すべきだと思う。


歯科医療と東洋医学の意義

歯科医療は口腔顎顔面領域に関わるさまざまな疾病を扱うわけであるが、一般日常臨床では精巧な器械や器具を使用する小外科が主体となる。しかし、複雑多様化していく疾病に対応するためには、限定された外科的手法や一部の内科的手法にとどまらず、他の医療手法も駆使してもっと治療方法の拡大を図る必要がある。そのためには断片化・部分化された技術や知識を整理統合して、歯科医療の領域および概念を再構成する時期にきているのではないかと思う。それも現在ある治療技術や医学知識の寄せ集めでよしとするものではなく、今までにない歯科医療システムを確立する可能性をもっていることが望まれる。そのためには歯科医療全体を眺める眼が必要となるわけで、その基盤となるものは東洋医学の考え方ではないかと思う。

 歯科・口腔領域に東洋医学(伝統医学)を応用する場合に考慮すべきものとして、近代歯科医学(西洋医学)と伝統的口腔観(東洋医学)の違い、口腔(部分)と全身(全体)との関係、そして口腔構造(粒子性)と口腔機能(波動性)の対比という3つのポイントをあげることができる。詳細は紙面の都合で省略するが、断片化あるいは孤立化した“歯科”“歯学”というとらえかたを超えて、口腔はあくまで全身(全体)と有機的に関連するある動的領域とする「口腔のコスモロジー」(筆者造語)観が必要だと思う。このことを念頭におかないと、歯科だけの独善的な枝葉的技術論に満足してしまう恐れがある。

 東洋医学には「口腔外科」主体の歯科医療から「口腔内科」を積極的に活用できる示唆に富んだ内容が多くある。口腔外科と口腔内科は歯科医療の中で言わば車の両輪のような存在であるが、口腔内科としての明確な領域がまだ整理されていないのが現状である。そういう意味から言っても東洋医学のもつ内容の役割は重要だと思われる。

 現在の医療全体を俯瞰して予測してみると、21世紀の歯科医療は、「システムとしての歯科医療」、「サブカルチャーとしての歯科医療」、「コミュニケーションとしての歯科医療」といった三つの流れが大きな柱になるのではないかと思われる。

 システムとしての歯科医療は、「歯科医療技術の向上」という側面から、細分化、専門化された領域を統合・総合化していく方法論として不可欠なものである。また人の身体をひたすら干渉していく医療だけでなく、自然と調和していくという外部環境を含めた自律的医療を推進するためにも、システム技術の導入が必要である。なぜならば“自然と調和する”というと、今まではとかく独善的あるいは観念的なものとなりやすく、普遍的で具体的なものとして認知されにくい傾向にあったからである。システムとは、ある目標に向かって組織され、相互作用している要素の動的総体であるから、それを自然に合った医療全体のシステムとしてうまく機能させれば、特殊な技術あるいは独善的な考え方の押し付けや強要によって起こりやすい、患者さん自らの選択権を奪うような治療方法はおのずと馴染まなくなるであろう。

 サブカルチャーとしての歯科医療は、「歯科医療領域の拡大」という側面において重要で、科学万能主義を是正し、一部の専門家による大衆無視の医療の暴走を抑止しながら発展させる。医療は常に大衆のものであり、一部の特権階級のものであってはならない。最近における「公衆衛生」から「地域保健」、「居宅診療」から「訪問診療」、あるいは「集団検診」から「歯科人間ドック」への意識変化はその流れを内在しているものと思われる。つまり歯科医療の実践空間を狭い診療室に押し込めないことである。長い間大衆の支持を受けてきた伝統医療は、必ずその地域、その民族、その国の文化と密接に関わってきた。今後は歯科医学の専門的な知識と技術の提供にとどまらず、歯科・口腔のサブカルチャーを形成すべきである。これに対するアプローチかないまま、ひたすら専門家が、声高に“虫歯をなくそう、歯周病を予防しよう”式の運動を展開しても、その努力の割に一般大衆とのパーセプションギャップはなかなか埋まるものではない。口腔が“生命理(いのち)の要”であると言う認識を口腔に関する文化として伝える必要がある。

 コミュニケーションとしての歯科医療は、「歯科医療意識の変革」という側面から重要となる。従来の特殊化された他者(医師)依存の医療から、自己自律(いわば“自身自医(じしんじい)”)の医療に目を向ける良い機会となる。それは1人の医師に多くの患者さんが掛かる(for the dentist)というより、1人の患者さんに多くの医療関係者が関わる(for the patient)という意識から出発すべきだろうと思う。自己自律とはいえ医療関係者不在の“自身自医”の道は有り得ないからである。ここにおける技術は、データ・テクノロジー(DT)からインフォメーション・テクノロジー(IT)への流れの先にある、コミュニケーション・テクノロジー(CT)として位置付けられるものである。このところ耳障りなぐらい EBM という言葉を聞くようになったが、これもコミュニケ-ションとしての歯科医療への発展途上と私は見ている。「根拠に基づく医療(Evidence‐Based Medicine)」という言葉は臨床疫学の臨床行為への適用というjことで1992年に作られた。コンピュータの発達により情報の伝達・検索の高速化や、患者集団の結果を個々の患者に迅速に適応させる方法が進化したことなどが、EBM 時代への転換を促したとされている。科学的医療を実践するためには、臨床的専門技能、利用可能な最善の外部根拠、および患者の選択(価値と期待)という三つの特徴的要素を統合するような接近法が必要とされると言われている。独創性の無い“マニュアル本”的医療ではないことは充分理解できる。「患者の選択」すなわち患者さんの価値と期待という要素を忘れないようにしなければならない。

 システムとしての歯科医療、サブカルチャーとしての歯科医療、コミュニケーションとしての歯科医療という三つの方向性を、牽強付会の意見という謗りを覚悟の上で概要を述べた。私は21世紀の(歯科)医療の中での(歯科)東洋医学の役割も、この方向で考えるべきだろうと思っている。サブカルチャーとコミュニケーションは東洋医学がもともと持っている特質である。従ってシステムと東洋医学を結び付けた『システム東洋医学』という領域が今後の(歯科)医療の発展にとって重要な役割を担うものと思う。東洋とか東洋医学という言葉が付せられなくとも、もうすでに様々な領域で“東洋(医学)的”発想と展開か浸透しつつある。東西両医学の特徴を比較してみるとそれがよく分る(表1)。

表1 東西両医学の特徴(PTPシステム研究所資料:1986)
東洋医学(漢方医学) 西洋医学(現代医学)   東洋医学(漢方医学) 西洋医学(現代医学)
自然哲学基盤
動的パターン認識
総合的集約指向
全機把握方法論
弁証論治
内科主導型
経験重視傾向
個人衛生医学
自覚的所見重視
科学モデル基盤
静的ブロック認識
分析的拡散指向
要素還元方法論
弁病療治
外科主導型
理論重視傾向
社会防疫医学
他覚的所見重視
  体質改善型医療
人体経験(人間変化)
観察型液体病理学
天然生薬
五感認識重視
協調的対疾病観
連続的健康観
作用重視(生成論)
内因重視病理観
個人教育型医学
疾病駆逐型医療
動物実験(疾病変化)
解剖型細胞病理学
抽出化学薬
診断機器重視
攻撃的対疾病観
非連続的健康観
物資重視(構造論)
外因重視病理観
集団教育型医学
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歯科東洋医学の確立

医療の中で“歯科”“口腔”という明確な座標をもって国家資格を与えられた専門医師は歯科医師をおいて他にない。口腔医師として関わる歯科東洋医学の範囲は広く、東洋医学と呼ばれる広義の内容すべてにわたり、かつ臨床応用を可能としている。しかし現在の医療制度・教育制度のなかで西洋医学との共生(あるいは結合)を図り、相互のシステム化を図るとすれば、中国が源流とされている伝統医学(食養・湯液・鍼灸・推拿・按摩・按矯・導引・養生)の範疇の湯液と鍼灸がその代表的なものといってよいと思われる。また「医食同源」「薬食同源」の言葉が示すように食養生も重要である。中国周王朝の制度習慣を述べた『周来』によれば、最高位の医師は「食医」で、現代の内科系医師、外科系医師に該当する「疾医」や「瘍医」よりもランクが上であったとされている。いずれにしても“食”の重要性は古くから指摘されており、“未病を治す”という考え方とあわせて、食養生は言わば健康の入口としての口腔を担当するわれわれ歯科医師においてのストラテジーとして恰好の領域と言える(注:筆者は東洋医学の臨床現場における応用戦略のひとつとして、一次予防に特化した「漢方サプリメントドック」を開始)。東洋医学は「自身自医」の道でもあり、疾病治療だけでなくプライマリー・ケア(Primary Health Care)においても重要な役割を果たす。Primary Oral Health Care(P.0.H.C)における漢方、鍼灸、漢方サプリメントの応用は、今後大いに期待できる領域として注目すべきと思う(図1)。

 過去の歴史的経緯を踏まえ将来にわたる歯科の東洋医学の確立を展望すると、臨床応用技術としての価値は当然のこととして、その学問的構造をしっかりと把握する必要があると思う。代替医療、統合医療あるいは包括的医療のなかで歯科東洋医学を語る場合、数多くある療法のなかでの歯科領域における一応用技法ということであってはならないと思う。「口腔漢方(歯科漢方)」、「歯科鍼灸」というネーミングとその専門領域は世界的に見ても日本独自のもので、口腔生理機能の全身における特殊性と一般性をつなぐ重要な分野としてもっと社会的(制度的)に認知してもらう必要性がある。「温故知新」という意味においても、東洋医学の歴史的価値を尊重しながら口腔に対する新たな視座を形成し、それと並行して日本発の歯科医学における国際的医学領域として確立されるべきものと思う。


図1 プライマリー・ケアと歯科東洋医学
(PTPシステム研究所資料より:2006.9「Human Oral Health Concept」)
※本内容を無断で複製、転載することを禁ず。



歯科分野の展望(図2)

近代歯科医療は歯科医学の急速な進歩により、歯牙硬組織疾患対象の時代から、口腔・顎・顔面全般にわたる形態異常や各種機能異常を対象とする時代に移行してきた。さらに「豊かさ」を求める時代を反映してか、患者の心理的な領域や美的領域への要求も深まりつつある。

 これは慢性疾患などの疾病構造の変化の中で、一つの病気には一つの原因あるいは原因物質が対応しているという特定病因論だけでは解決困難な病気が一般的になってきたことにより、身体内部要因だけではなく、社会的人為環境やストレスさらに自然環境を含む複雑な多変数要因(動因)の中で疾病の診断と治療をしなければならなくなってきているという背景によるものと思われる。このような新しい時代に対応していくためには、口腔顎顔面器官系についてのより広い知識と視野をもつことと、さらにそれらを包括する全体観が必要不可欠といえる。したがって、今後も加速的に医療技術の向上や生体材料の開発が進むであろうが、それと同時に学際的研究による歯科医療領域の拡大が行われ、さらに歯科医療領域の多様化・複雑化に対応するための新たなシステム論の導入により、医療意識の変革が要求されるであろうと思う。


図2 現在の歯科診療領域の俯瞰



東洋医学の臨床導入

ここでは日常臨床レベルでの東洋医学の導入様式を掲げることにより(図3)、東洋医学を歯科医療のなかに、どう段階的に導入できるかを検討してみたいと思う。東洋医学を歯科臨床に導入することにより歯科医療の総合化・包括化・組織化が図れれば、プライマリー・オーラル(デンタル)・ケアの概念の一つにある総合療養の意味を大いに満足させるものとなる。東洋医学を西洋の医学システムとどのように共存あるいは統合させるかは未だ定型のものはないので、今後の課題としてさらに考究されなければならない。歯科臨床での東洋医学の応用ではほとんどが導入様式①と思われるが、これは言わば東洋医学の西洋医学的応用であり、東洋医学の利点が十分発揮されているとは言い難いものである。東洋医学の持つ内容と今日的意義を考えれば、少なくとも東洋医学にある診断理論の概略は理解したうえで、導入様式②まではもっていきたいところである。導入様式③は東洋と西洋双方の持つ診断と治療計画の流れをうまく共生結合させた総合的診断治療形態である。ここまでいくと今までに無い全く新しい歯科診療システムが生まれる可能性が大である。鍼灸療法も基本的には同じで、補助的な刺激療法にとどまらず東洋医学独特の診断法を駆使した立体的運用が必要である。従来の歯科臨床に広がりと深さを堤供する医学として東洋医学が偏見無く導入され、しかもそれが段階的に活用され、その応用範囲が確立されていくのを願うこと頼りである。


図3 東洋医学(漢方)の臨床導入様式



※弁証と弁病
“証”と“病”は密接な関係を持っている。いくつかの症状は種々の疾病にまたがって出現する。“弁証”は疾病のある段階での特殊な性質を主な矛盾点とを全体的かつ具体的に判断することである。これに対して“弁病”とは、弁証で得られた結果に基づき、種々の類似した疾病を比較・鑑別することである。弁証と弁病の照合検討が診断深度を高めることになる。
(PTPシステム研究所資料より:1984「東洋医学の臨床導入様式」)

歯科臨床と東洋医学

歯科臨床は口腔顎顔面領域に関わる様々の疾病を扱うわけであるが、一般日常臨床では、精巧な器械や器具を使った小外科が主体となるため、その内容が高度で精緻になればなるほどその方法と領域が細分化・専門化され、歯科医療全体を俯瞰することがおろそかになりやすい。しかし複雑多様化していく疾病に対応するためには、限定された外科的手法や一部の内科的手法に止まらず、他の医療手法も駆使してもっと治療方法の拡大を図る必要がある。

 Alternative Medicine(代替医学)という枠組みにおける各種療法の歯科臨床の応用となるとその範囲は膨大なものとなり、その歯科的応用は好事家の域を出ないものが多い。その可能性の割にはまだまだ歯科臨床における応用が日常化されていないのが実態である。しかしながら、中国由来の伝統医療とりわけ歯科漢方と歯科鍼灸、および日本の食文化を含む食養生を中心とした東洋医学の歯科臨床への応用は比較的活発で、ここ数年大きく注目されてきているところである。患者さんの理解もさることながら、地味ではあるが組織的な啓蒙努力※の成果に負うところが大きいと思われる。


 ※「日本歯科東洋医学会 The Dental Society of Oriental Medicine」…東洋医学を日常臨床に導入すべく歯科臨床医有志が大同団結し1983年に設立。現在会員数900余名で、総会・学術大会の開催、認定医制度の導入、学術研修セミナーの開催、支部活動の充実などを図り、歯科東洋医学という独自の医学領域を開発・研究している。

 歯科医療の主要側面としては①学問的側面②技術的側面③社会的側面の三つを挙げることができるが、東洋医学はその歴史的経緯からみても、それらの全ての側面でその価値や意義を見出すことができる。社会が今後成熟していく過程で、ますます「こころ」や「からだ」の豊かさを求めるようになっていくであろうし、そこに関わっていく歯科医療も当然のことながら質的変革を余儀なくされることだろうと思う。それは冒頭でも触れたように治療主体の医療から、予防や看護、養生さらに増進にまで医療ステージが広がっていくことを意味する。最近における「公衆衛生」から「地域保健」、「居宅歯科診療」から「訪問歯科診療」、あるいは「集団歯科検診」から「口腔ドック(歯科人間ドック)」への意識変化とその実践の増加はそれを物語る。

 近年脚光をあびてきたところの、臨床に直結した歯学領域に、歯科審美学(美容歯科関連)、歯科インプラント学(人工歯根関連)、歯科東洋医学(鍼灸、漢方関連)、歯科構造医学(咀嚼咬合関連)等があるが、これらはcureからcare(primary oral care)へシフトしていく歯科医療の質的変化と深く関わっている。歯科東洋医学はそのなかで物質系(粒子性領域)よりも情報系(波動性領域)に位置し、予防、治療、増進、養生(看護)のさまざまなステージに満遍無く関わるものとして理解される。

歯科東洋医学の可能性

東洋医学はその療法の種類により、歯科疾患への関わりかたを少し異にする。鍼灸療法は表から裏に向かう経絡臓腑の空間軸的治療法が得意で、漢方療法は疾病の推移に対応していく時間軸的治療法が得意といえる。また食養は日常的身体ケアの手法として身体ベースの本質に働きかける。基本的にはどの療法でも、歯科疾患や口腔症状に直接的あるいは間接的な応用を可能としている。しかも、従来の歯科臨床の内容と範囲に工夫を加えれば、その応用範囲はさらに広がり、東洋医学の歯科的応用は疾病治療にとどまらず、予防、養生・看護あるいは増進のステージにまで及ぶ。要は東洋医学のもっている懐の深さをよく理解し、そこから得られた知識や技術を歯科医療の主要側面である学問・技術・社会の各側面にどのようにうまく結び付けていくかということである。それがうまく達成されれば、歯科医療技術の向上と歯科医療領域の拡大が図れ、さらに歯科医療意識の変革が可能となろう。

 東洋医学と西洋医学の統一(医療)あるいは統合(医療)という考え方があるが、それぞれの特質をよく調べていくと、互いに自立しながら相互補完する共生(医療)という方向が正しいと思われる。グローバル・スタンダードと呼ばれる価値観と競争原理に捻じ曲げられた西洋医学の不完全な部分があるとすれば、それを修正するものは共生の原理といってよい。「東洋的であること」これはすなわち平衡原理の活用、共生原理そのものである。どちらかに取って代わるのではなく、西洋医学(近代医学)と東洋医学(伝統医学)、さらに口腔(部分)と全身(全体)、肉体(粒子性)と精神(波動性)の対比の中で歯科医療に共生原理を導入した『Symbiotic Oral Health Care』が強く望まれる。(cf.Collaborative Oral Health Care、Integrative Oral Health Care)

歯科口腔領域における東洋医学の導入

近代の歯科医学教育下で育った歯科医師が、近代歯科医学の呪縛から開放され、広く東洋の伝統医学を学ぶということは何を意味しているのか…。東洋医学と西洋医学のどちらが臨床技術として優れているかというような単純な対比論による解釈では、東洋医学に内在しているその歴史的価値を充分に理解することができないのではないかと思われる。東洋医学はその歴史的経緯からしても、単に医療技術面だけでその価値を評価するものではなく、歯科医療のあらゆる側面にその意義と価値を見出すことができる(図4)。

 東洋医学はその歴史から考えてみると、直截的な感性による人や病を把握する洞察(観察眼)を大事にする。アカデミズムは好まない様であるが、このことは治療を進めるにあたりたいへん重要なところである。臨床技術として従来の科学は大いに学ばなければならないが、一方でモノ化した知識に修正を加えるココロの学問も忘れてはならないと思う。

 新しい技術の導入背景には、とかく医院の経営的側面にある経済的メリットが見え隠れする。これを決して否定するものではないが、東洋医学はむしろ今までの経済優先の医療に警鐘を鳴らし、医療の良心を呼び覚ますものであるかもしれないのである。

 このことをあまり考えずに、東洋医学をただ個人的な利益のために利用することは、厳に慎まなければならないと思う。東洋医学はその本質(叡智)に従うものであって、その言葉(知識)を個人的解釈のためにデフォルメして利用するものでは決してないのである。“わたし(個人)の東洋医学”から“われわれ(人類)の東洋医学”という考え方をもう一度理解そして認識する必要があるかもしれない。

 東洋医学を歯科口腔領域に導入する際に必要となってくるのは、総合的で融通性のあるしなやかな視点である。身体環境における口腔の役割、西洋医学と東洋医学との関係、肉体と精神との不可分性に対する視点がその代表的なものと言える(図5)。その背景となるのは、東洋医学の整体観念(人体そのものの生理・病理・治療の有機的整体性、人と自然との統一性)と独特の診断概念にある(四診法による診断と「証」「症」「病」の区別)。

1.学問的側面 …哲学的側面(こころ)と科学的側面(もの)

2.技術的側面 …経験的側面(知恵)と科学技術的側面(知識)

3.社会的側面 …文化的側面(subculture)と経営管理的側面(management)


図4 歯科医療の主要側面と東洋医学の応用(PTPシステム研究所資料:1985)



1.医科と歯科との視点

・統一整体観による歯科と口腔…全身における歯科・口腔領域概念の見直し。口科、口歯科、口中科、口腔科、口腔内科、口腔粘膜科等の意味を含めての検討。

・新技術の評価…ブーム化した一時的な新技術に左右され翻弄されること無く、東洋医学の長い歴史と伝統の中にある医療の本質的なものを通じて評価する。


全体(総合)と部分(断片)→ホロニック口腔医療 Holonic Oral Health Care


2.西洋医学と東洋医学との視点

・第3の歯科医学…歯科漢方医学、歯科鍼灸医学、口腔養生医学、中医口腔科学、口腔中医学等の領域と近代西洋歯科医学の共存による新たな歯科医学の構築

・歯科東洋医学…口腔と言う発生学的根源臓器を通じて、近代西洋医学と東洋的伝統医学を包括する。新しい生命観・身体観および治療システムを考究する。


西洋(科学)と東洋(伝統)→共生口腔医療 Symbiotic Oral Health Care


3.体の医学と心の医学との視点

・“心身一如”の復活…近代合理主義による体と心の二分化、専門分化による身体領域(口腔領域)の断片化への反省。

・医療を施す側における心の問題…東洋医学にある宇宙観、自然観、生命観、身体観はさまざまな触手を持ちいろいろな領域と関係をもつ。それを良いことに、我田引水の東洋医学的療法も跋扈する。

・お年寄りと子どもたち…過去に活躍した人たちや高齢者への配慮と、小児への根本生理教育。


物質(粒子)と精神(波動)→口腔コスモロジー医療 Cosmological Oral Health Care


図5 歯科口腔領域に東洋医学を導入する際の重要視点



終わりに

医療分野におけるさまざまな変化の中に生活習慣病を含む多様性疾患の増加問題がある。特定病因論だけでは解決が難しい複雑化した疾病構造の変化に対応するためには、身体的要因のみならず、心理的要因や社会的要因などが絡み合ったものという「病(やまい)」に対する理解が必要と思われる。歯科・口腔領域においてもその構造は同じであり、多変数要因の疾病として対処しなければ立ち行かない場面が多くある。そういった場面において東洋医学的手法は大変有効であり大きな役割を担い得ることとなる。なぜならば、東洋医学の疾病観はもともと個人衛生的で体質改善型医学といって良く、統一整体観がそのベースとなっているからである、西洋医学の持っている社会防疫的あるいは病気駆逐型医学という特徴とよく対比されるところである。東洋医学と西洋医学が口腔を通して共生していく時代が確実に到来している。

 東洋医学の「保存」「継承」「創造」というキーワードにおいて、われわれ歯科医師が医療全体の中でどういう役割をし得るか…歴史的大転換(Great Change)の中で「東洋」をじっくり見据えていく必要があると思う。



参考文献

(雑誌・論文)

1)岡村興一.東洋医学(伝統医学)の役割と高度先端医療. 日本歯科先端技術協会会誌.2001;7(1).

2)岡村興一.日本歯科東洋医学会の最近の動き.中医臨床.東洋学術出版社.2002;23(1).

3)岡村興一.21世紀の歯科医療.日本歯科東洋医学会誌. 2001;20(1・2).

4)岡村興一.歯科と漢方.漢方と最新治療.世論時報杜2006;15(4).

5)岡村興一.東洋医学と歯周病.国際歯科学士会日本支部会 雑誌.2007;38(1).


(書籍)

6)岡村興一.口腔漢方講座テキスト.PTP システム研究所.1989.

7)岡村興一.「歯科漢方-システム口腔漢方医学-.デンタル フォーラム社.1991.

8)岡村興一・Alternative Medicine 臨床への応用・歯科領域.(分担執筆).看護のための最新医学講座(第33巻)・中山書店.2002.






ABSTRACT

Role and Prospects of Oriental Medicine in Dentistry

Koichi OKAMURAl,2,3
1Japan Dental Society of Oriental Medicine
2PTP System Laboratries
3Okamura Dental Clinic


In order to achieve not merely a temporary or fragmented application of oriental(traditional)medicine to western modern dental treatment but also to ensure its position as a complementary,continuing therapeutic technology,a mutually beneficial co-existence is required.
 Oriental medicine is considered a “tailored”medicine and a key factor is defining the target patient's Syo(sho).Even if treatment as currently offered in clinical practice is western-derived,it is still possible to grasp the patient's condition more solidly by introducing this concept of Syo(sho).
 Based on the above,a logically consistent and relatively systematized Chinese medicine may play a convenient and effective role in conventional medical practice.When the cultural and topographic roles of Japan are re-examined in light of Chinese medicine's historical background however,a harmonious symbiosis between a systematized traditional oriental medicine and an effi- cient,technologically oriented western medicine seems difficult to establish. Nevertheless,it is the author's hope that a new wave of medical(dental) treatment successfully combining the two may emerge from Japan in the 21st century.

Key words:Oriental Medicine,Traditional Medicine,Traditional Chinese Medicine,Oriental Dental(Oral)Medicine,Holistic (Comprehensive)Medicine



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